メンヘラメーカー

付き合った彼女または彼氏の精神を蝕んで依存させる、魅力度が極端に高い、もしくは惹きつける能力を持っている人の事を私はメンヘラメーカーと呼んでいる。私の彼氏の事だ。よってきっとわかるだろうが私はメンヘラだ。今さっき友達とラインをしてて気がついた事がある。私はこの類の男に引っかかった事が人生で一度もなかった。過去を振り返っても全く思い当たらない。彼はその面でも新鮮で私にはいつでも素敵だ。いや、そんな惚気を書くつもりで今回は書き始めたのではない。彼を筆頭にして世に多数いるメンヘラメーカーについてだ。彼らのやり方はたくさんある。しかし私にはその経験のストックがないので今の彼氏の話だけをする事にする。気をつけるために宣言するが、惚気ではない。さて、まず最初に。出会ってすぐの頃言われて今でもものすごく傷ついている事がある。まぁそれは友達としての冗談で私は当初ふざけて笑ったが、実際なんども凹んでいる。明確な言葉を出す事はやめるが、外見についての事だ。人間誰しもがコンプレックスを多かれ少なかれ抱えて過ごしていると思うが、私は私の仲良くしている友達の中ではダントツにそれを気にするタイプである。そして気にして直そうと躍起になって、また落ち込む。そもそも私は自己肯定感が薄い。こうでなければならない、もっとこうすべきだと、未完成で不用意な自分に自責の念を常に持っている。多くのカルト集団で用いられる洗脳の技術の最も始めはこの「自分はどうしようもなくダメで良い所のない人間だ」という意識の植え付けから始まる。私はそもそもダメだと思っていたところに、証明のように彼からそう言われたのだった。そして次に私達は恋に落ちた。時間はかからなかった。知り合ってすぐ、1カ月もたたないうちに彼の事を考えて焦がれる日々が始まった。彼はそのときとんでもない包容力を私に見せて来た。正直始めは、今までの人生で関わることのなかった人種だったのでとまどった。もちろん疑いもした。ここでこの人を信じてただ都合よく弄ばれるんではないかとよぎった、がしかし。好きな気持ちの方が大きく、私は彼を信用した。彼のどこにもいかないという言葉を鵜呑みにした。ここが2つ目のポイントである。また洗脳の技術の話になるが、そこでもこの「何もないあなたを愛するのは私だけ」手法は用いられる。そして私はハマり抜け出せていない。ただし1つだけ言っておくと、私はそのようにして彼にハマったが今はもうそれが愛に変わっているのでそうしてくれた彼にただ感謝をしている。そして最近はこれが洗脳ではない証だが、自己肯定を出来るようになってきた。私はそもそも果てしないネガティヴ思考の持ち主だが、それを変えようと最近は無理をしていた。人の粗探しをしてしまう自分に嫌気がさし本当に思う所を何も言えなくなってしまった。しかし彼は少し前私に、気張らなくて良いよと言った。言われた時は頑張っているのに、と腹が立ったが今になってすごく有り難く感じている。何をしなくても、この人なら愛してくれると彼のおかげで自己肯定が生まれたのは紛れも無い事実である。ただしみんながみんな彼のような愛ゆえのメンヘラメーカーとは限らない。結婚詐欺なんかが良い例だろう。しかし私もメンヘラメーカーを見習って人タラシになりたいなぁと、最近は少し思う。人タラシは時として特技である。